行政書士の相続業務とは

行政書士の相続業務は、行政書士法第一条の2として、「権利義務に関する書類の作成」の中でも「遺産分割協議書」「合意書」の書類を作成することを主な業務とします。また、遺産分割協議書には「相続関係説明図」や「財産目録」なども必要になり、その作成も「事実証明に関する書類」の作成の一環として行います。この作成について相談に応じることも、行政書士の大切な役割の一つです。ただし、弁護士法の業際がありますので、法的なアドバイスに限り、紛争に陥る可能性がある場合は、辞退させていただくこともございますのでご了承ください。その場合は、私から信頼のおける弁護士を紹介させていただく場合もございますのでご安心ください。

行政書士ができないこと

当然、行政書士にできることとできないことがあります。例えば遺産分割協議において、相続人間に訴訟や調停の因をなす紛争状態があれば、行政書士は介入することができません。

行政書士がその業務の範囲内としてなした相続財産、相続人の調査、相続分なきことの証明書や遺産分割協議書等の書類の作成並びに右各書類の内容について他の相続人に説明することについては、行政書士法1条に規定する「権利義務又は事実証明に関する書類」の作成に当たるから行政書士の業務の範囲内である。

しかし、遺産分割につき紛争が生じ争訟性を帯びてきた場合に、依頼者のために他の相続人と折衝を行ったのは、弁護士法72条1項に定める「法律事務」にあたり、非弁活動であるから、遺産分割の折衝に関する報酬請求権は認められない。

(東京地判平成5年4月22日判決より)

相続業務の流れ

遺産分割協議の流れをフローチャートで簡単に説明をしてみましょう。当事務所ではこのように実施いたします。

面談
相続人の代表者の方から面談を行い、「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを提示いたします。民法においては、「限定承認」「相続放棄」に関しては、いずれかの選択をするための期間を設けており、これを「熟慮期間」といいます。民法915条1項では、この熟慮期間は「自己のために相続の開始があったのを知ったとき」から起算して3か月以内と定めています。
単純承認…相続人は、一身専属的な権利を除いて一切の被相続人の権利義務を承継します(民法896条)。よって、借金があれば相続人は自己固有の財産で弁済しなければなりません。熟慮期間の3か月が過ぎると自動的にこの「単純承認」となります。
限定承認…相続した財産の範囲内で被相続人の債務を弁済し、余りがあれば相続できる制度です。しかし手続きが煩雑なため、あまり使用されていません。熟慮期間内に財産目録を調整し、相続人全員で家庭裁判所の限定承認の申述をすることで行われます。
相続放棄…相続人が相続開始による包括承継の効果を全面的に拒否します。つまり最初から相続人でなかったことになります。もちろん代襲相続(相続放棄した相続人の子が代わって財産を相続すること)などもありません。
委任の内容に関して
受任した場合は、主に「相続人の範囲」「相続財産の範囲」「相続財産の評価」を確定するため、金融機関や官公庁に不動産や戸籍謄本、預貯金の残高証明書などをお客様からいただくことになります。この場合は行政書士に委任状を書いていただき、スムーズな受任を心がけてまいります。
再面談(約1か月後)
相続関係説明図、財産目録、遺産分割協議書の提示を行います。
遺産分割協議の成立(約1か月~2か月)
遺産分割協議書に相続者全員から署名・押印(実印)、印鑑証明書をご提出いただくことになります。
相続手続き完了(約3か月)
金融機関の払い戻し、不動産の登記などを行います。不動産の登記に関しては司法書士の業務なので、信頼のおける司法書士と相談し、確実に実施いたします。

大まかな受任料について

・相談料…5000円(税込)/1時間が発生いたします。
・相続関係説明図、財産目録、遺産分割協議書などの作成…50000円(税込)
・遺産分割協議書に必要な戸籍謄本などの収集…1通あたり5000円(税込)
・財産目録作成に必要な履歴事項全部証明書、固定資産税評価証明書などの収集…1通あたり5000円(税込)
・相続手続…1金融機関あたり30000円
・その他、戸籍謄本の証書や財産関係の証書、交通費などの実費がかかる場合がございます。
ご了承ください。